白山
奥山人の
くらし
石川県の南の果て、白山の麓にある白峰地域では、古より自然を敬いながらその恵みを使いこなす、知恵と技が育まれてきました。
五感を研ぎ澄ませ、生き生きと過ごす四季折々のくらしを、地元に住む人々と楽しんでもらえたら- そんな気持ちで、旅をデザインしてみました。
※下記プログラムは一例です。期間や金沢発着等のプランもご相談に応じます(料金別途)
1日目 奥山へようこそ
こんなに小さなまちだけど、
3階建ての、大きな建物が多い?
まずは地元ガイドが、白峰のまちをご案内。
奥山にポツンと現れる、人口700人弱の小さなまちは、白峰重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に指定されています。
3階建ての、立派な家が立ち並ぶ白峰。
その謎には、この奥山の環境や歴史、伝統文化が深く関わっていたようです。
伝統的な「オバル染め」
主に下着を染めていた?
石川県立 白山ろく民俗資料館へ到着。
展示館で、奥山人の生活スタイル「出作り」について見学した後は、実際に奥山人になってみましょう。
オバル(ミヤマカワラハンノキ)の木の皮の色素を使った「オバル染め」は、誰一人同じ模様にならず、出来上がってからのお楽しみ。奥山の人々は、この方法で下着を染めていたとか。
染めたハンカチは、お土産にお持ち帰り下さい。
歴史的にも貴重な古民家6軒を
まるごと移築したらしい!
染め上がったオバル染めを、風に当て乾かしている間、奥山人の生活スタイル「出作り」について見学・探検してみましょう。奥山生活についての展示館のほか、実際に奥山人が住んでいた古民家(いずれも国や県の文化財に指定されています)の中に入ることができる、貴重な場所です。
そんな「昔の村」をハイキングしたら、いろりを囲んでゆったりティータイムなど。環境保全に貢献できるコーヒー「白山きりまんじゃろ」や、幻の穀物「かまし」のおやつをご用意します。
コーヒーは、地元産のお茶「ねぶ茶」に変更可能です。
インドでは「ラギ」
白峰では「かまし」
かましとは、雑穀のシコクビエのこと。インドではカレーをつけて食べる薄いパン「ロティ」など、さまざまな料理に使われています。白峰では古くから重要な食物のひとつで、実った穂の形が「カモの脚」に似ていることから、かものあし、かもあし、かまし…と呼ばれるようになったと言われています。
今では生産者が減少し、流通も多くないため「幻の雑穀」と呼ばれていますが、栄養価の高さから近年スーパーフードとしても注目されています。2023年には「文化庁100年フード」にも認定されました。
2日目 出作りの山
山は畑だ!
いまでも実際に奥山の生業が生きている「焼畑の山」「わさび田」など、季節に応じた奥山生活体験に出かけます。
山には、きれいな高山植物が咲き、大自然でしか見られない絶景や野生動物との出会いなど、非日常を感じる場面がたくさんあります。一方、白山の奥山人にとってそこは日常。生活の場であり、生きるための仕事場でもありました。このツアー良いところは、そんな旅の非日常も、生きるための日々の営みも、丸ごと体験できる点にあります。
山菜を摘みながら
半年後のことを考えている?
ツアー中のお食事には、山の幸や地元野菜、名物堅豆腐など地元食材が使われます。
山菜といえば春。毎年楽しみにしている方もいるでしょう。白山の奥山人も、雪が溶ける頃そわそわし始めます。摘んだ山菜は、春の味覚としても楽しみますが、実は毎年11月〜冬季に行う仏教行事「報恩講」の料理に使うことを見越して収穫しています。夏の野菜も、秋のキノコや木の実も同じ。量を計算し保存して、報恩講料理に備えます。現在では人口減少に伴い、報恩講をする家は少なくなりましたが、山菜の煮ものや酢の物など、伝統的な料理や保存法が伝承されています。
3日目 地元民とお茶会
なぜそんな奥山で暮らすのか?
白峰地域には、縄文時代後期から人々が住んでいたといわれ、その起源は不明です。「出作り」は、少なくとも江戸時代の文献から記録が残されています。
不便そうに見える一方、白山の豊富な水や季節ごとの山の幸に恵まれた環境でもあります。広大な森の中、畑を開き、山の再生サイクルに合わせた奥山人の生き方を自分で体験したら、思ったことや聞きたいことを、お茶を飲みながら話して、ツアーの締めくくりとします。
ツアー後のおすすめ
白峰温泉総湯
入ると絹のような肌になる「美肌の湯」として人気の温泉です。
温泉の泉質:ナトリウム炭酸水素塩温泉
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節・筋肉のこわばり、胃腸機能の低下、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、痔の痛み、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、きりきず、皮膚乾燥症
おいしいもの
温泉のあとは、菜さいのソフトクリームが最高。香ばしいかまし粉や赤しそシロップ、とちの花の蜂蜜などの、ここだけのトッピングをお試し下さい。
他にも、重伝建の古民家を改修した「雪だるまカフェ」「ゆーた」や、大きないろりのある「みのすけ」、熊さんや猪さんが食べられる「永清」、いわな料理の「こよもん」など、お食事処もバラエティに富んでいます。
白山奥山人のくらし 体験ツアー
【集合場所】 白峰 菜さい前
※お客様のご要望により、金沢駅、福井駅など近隣からのツアーもご相談に応じます(料金別途)
【ガイド料金】 ¥123,000〜¥545,000/1名
※2泊3日の場合の参考価格です。ツアー内容や参加人数、宿泊場所により変わります。
【参加人数】 5名まで
【対象年齢】 中学生以上 学校や団体でのツアーもご相談に応じます
【その他】 季節や気象状況、お客様の体調、講師スケジュールなどによりプログラムを変更することがあります。また、台風などの荒天が予想される場合は、中止することがあります。
宿泊施設の例
泊まれる古民家
「古民家一棟宿 SENNO(せんの)」や、「NIPPONIA 白山奥山人の里 せんにょも」は、空き古民家を活用した一棟貸しの宿。グループやツアー仲間で、気兼ねなくお泊まりいただけます。
また「NIPPONIA 白山奥山人の里 ゆう」は、古民家を改修したホテルタイプの宿です。
※「せんにょも」「ゆう」は2024年10月オープン予定です。
ペットと泊まれる温泉旅館
「白峰温泉 白山苑」は、白山登山のお客様にもおなじみの老舗旅館です。こちらは看板猫が出迎えてくれる「ペットと泊まれる宿」としても人気で、動物好きに優しい空間。
最上階にある温泉は、白峰温泉総湯と同じく美肌の湯。自慢の料理もぜひお楽しみ下さい。
冬期プログラム例(12月〜2月ごろ)
かんじきで「昔の村」を歩く
豪雪地帯の白峰地域。冬の山は真っ白な雪に覆われます。90歳の出作り経験者に「冬の生活は、さぞかし大変だったでしょう」と尋ねると、「まわりが全部雪やさかい、どこまでも歩いていける」という、意外にもちょっと楽しそうなお答え。
古民家も雪に覆われる村の中や、近隣の低山を、伝統的な日本のスノーシュー「かんじき」を履いて散歩してみましょう。
豪雪地帯のくらし
冬の白峰といえば、雪かき。重い雪を運ぶために作られた道具「み」を使いこなし、雪の道を作りましょう。筋トレやダイエットとしても効果があるかも…?
雪かきや雪あそびで疲れたら、あったかい囲炉裏の火にあたったり、こたつでみかんを食べながら語り合ったり、冬の奥山生活に思いを馳せながら過ごしてみましょう。
旅行企画:株式会社YOSITAI
(石川県知事登録旅行業第地域ー303号)